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『ルカ -楽園の囚われ人たち-』(ルカ らくえんのとらわれびとたち)は、七飯宏隆著、巳島ヒロシイラストのライトノベル。ISBN 9784840229173。電撃文庫より2005年2月10日に発売された。 第11回電撃小説大賞の大賞受賞作。本作の帯において秋山瑞人は「滅亡する、ということの詩的な部分を見事に書ききっていると思います。」と評した。 == ストーリー == 人類は高度な疑似人格を開発し、また宇宙にも積極的に進出しつつあった。日本の富士山の地下深くでは、政府要人用恒久退避施設・ペルシダーが極秘裏に建設されていた。そしてペルシダーがほぼ完成した頃のこと。宇宙開発の場において、ある超大国と他の先進国との間に冷戦構造が復活した。その対立はやがて武力行使へと変わる。突然の先制攻撃と、それに対する激しい報復攻撃。その戦いが終わった時には、地上は死の世界となり、人類はすべて滅亡していた。 作られたそのままに朽ちようとしていたペルシダー。だがそこにはまだ7つの動くものがあった。一つは、まだ言葉も話せない幼子・まゆ。一つは彼女と一緒にいた大きな白い犬。そしてあとの5人――アヤ、ヒロ、ハル、ゲン爺、コユキは、地上で死んだはずの人間、つまり幽霊だった。5人は、自らの「死後の生」の理由をまゆに託し、最後の人間である彼女を育てることを決意する。彼らは自分たちが幽霊であることや人類の滅亡を隠すための言い訳としての規則・新日本国憲法を作り、彼女を育て始めた。 それから10年ほど経ち、まゆは5人と1匹の家族と共に大きくなっていた。ある時、大昔の映画を見ていたまゆはキスに興味を抱き、ヒロにキスを求める。幽霊である彼は生きているものに触れないということもあり、ヒロはそれを断ったが、まゆはその対応にへそを曲げ、ヒロ達の授業をボイコットするようになる。まゆに本当のことを言うかどうか迷う5人。そんな中アヤは、自分と同じくらいの年齢となったまゆがいまだにわがままを認められていることへの羨望や、自分の存在の意味への不安、そして自分の思いに気づいてくれないヒロへの焦りを募らせる。心を揺らす彼女に、ある存在が接触した。 PDS ‐ 三〇〇〇三B。試作機の暴走により開発中止となった、第三世代型の超高性能の疑似人格。ペルシダー建設当初にひそかに持ち込まれ、10年間にわたってまゆたちをつぶさに観察し続けていた「彼」はある計画を実行する。 「彼」はアヤをそそのかしてまゆを騙し、自らの全機能を解放させ、そしてまゆをペルシダー下層部に拉致する。ペルシダーの異変に気づいて駆け付けたヒロたちに、「彼」はその計画を明かす――まゆを母体に人類を繁殖されるのだと。同時に「彼」に投げられた辛辣な言葉に彼らは絶望しかける。だがハルの一喝により、5人はまゆの奪還に向かう。 地縛霊である彼らの行動限界・世界の端。それを彼らはペルシダー管理用の疑似人格・ポンコツの移動端末に憑依することで突破し、まゆを目指して進む。犬のトッピーと共にペルシダーを下る道中、「彼」が放った電磁波にアヤが撃たれる。苦しむアヤの姿に自分がしたことをへの恐怖を覚え「彼」は気付かされる。自分は彼らを普通と同じ人間として見ていたということ。そして、自分が何の根拠もなしに万能だと思い込んでいたのだということを。 ペルシダー最下層にたどりついたヒロ。だが自分の信じていたものすべてが嘘だったことを知ったまゆは絶望に陥っていた。まゆを説得し、地上に戻ろうとするヒロ。そして「彼」は、自分の行動に苦しみを感じながらも、なかば衝動的に電磁波照射塔の引き金を引く。そしてその電磁波は、ヒロをかばったトッピーにあたり、まゆは自分の母代りの犬の大けがに、自失状態から抜け出す。 トッピーの手術中。緊迫した空気の中、まゆは自分の本音をヒロに語る。ヒロ達が何かを隠しているのをとっくに気づいていたこと。それを知りながらも、何も知らないわがまま娘を演じていたこと。お互いの真実を知ったまゆとヒロ。そして二人は唇を重ねる。 手術は成功しトッピーは一命を取り留めたが、代わりに右後ろ脚を失った。その痛々しい姿に「彼」が罪悪感と悔悟の念に襲われていた。だがまゆは「彼」を許し、ルカという名前をつける。そしてまゆはルカを家族として認めるのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ルカ -楽園の囚われ人たち-」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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